会議が終わったあとに「議事録お願いね」と言われ、真っ白なファイルの前で固まっていませんか。書いたら書いたで、翌日まで出せずに催促される。新人のうちは誰もが通る道です。
この記事では、運用・構築の現場で10年以上、議事録を書き、受け取り、新人の議事録を添削してきた筆者が、議事録の書き方を5つの型とテンプレートで解説します。
結論から言うと、議事録は会議の内容を全部書くものではなく、「決まったこと」と「誰が何をするか」を残すものです。書く量を減らすほど、読まれる議事録になります。
この記事でわかること
- 議事録が書けない・時間がかかる本当の理由
- そのまま使える議事録の5つの型とテンプレート
- 会議終了から30分で出すためのメモの取り方
議事録が書けないのは「全部書こう」とするから
議事録に時間がかかる新人には、はっきりした共通点があります。会議の発言を、できるだけそのまま残そうとしていることです。
気持ちはよく分かります。何が重要か判断できないうちは、削るほうが怖いからです。しかし発言をそのまま並べた議事録は、書くのに何時間もかかるうえ、読み返されません。
ここで、議事録を読む人の立場になって考えてみてください。上司や関係者が議事録を開くのは、たいてい次の3つを確かめたいときです。
- あの件は結局どうなったのか(決定事項)
- 自分は何をいつまでにやるのか(担当と期限)
- なぜそう決まったのか(判断の理由)
裏を返せば、この3つさえ書いてあれば議事録は役目を果たします。雑談も、途中で否定された案も、原則として残す必要はありません。
議事録は会議の録音ではなく、会議の結論の置き場所だと考えてください。この一点が変わるだけで、書く時間は半分以下になります。

議事録の書き方:そのまま使える5つの型
議事録は、次の5つの項目をこの順番で埋めるだけで完成します。会議の種類が変わっても、この型はほぼそのまま使えます。
型1:決定事項を先頭に書く
いちばん上に「決まったこと」を箇条書きで置きます。ここだけ読めば会議の結果が分かる、という状態を作ります。
書き方のコツは、言い切ることです。「〜の方向で進める見込み」ではなく「〜で進める」と書きます。言い切れない項目は、決定ではなく後述の保留に回します。
型2:ToDoは「誰が・いつまでに・何を」の3点セットで
次に、会議で発生した宿題を書きます。ここで欠かせないのが、担当者・期限・作業内容の3点セットです。
新人の議事録でいちばん多い抜けが、担当者名です。「調査する」とだけ書かれた項目は、誰もやらないまま次の会議を迎えます。会議中に担当が決まらなかったら、その場で「これはどなたが持ちますか」と聞いてしまうのが早道です。
期限も同じで、「なるべく早く」は期限ではありません。日付が出なければ「次回会議まで」と書いておきます。
型3:論点と結論を、理由つきで残す
ここが議事録の価値を決める部分です。決定事項だけでは、数か月後に「なぜこうしたんだっけ」と誰も答えられなくなります。
形式は「論点 → 出た意見 → 結論と理由」の3行で十分です。たとえば「作業日をいつにするか → 火曜は立ち会い可、木曜は再調整が必要 → 立ち会いを優先し火曜に決定」といった具合です。
採用しなかった案も、1行だけ理由を添えて残しておくと役に立ちます。後から同じ議論が蒸し返されたとき、この1行が時間を守ってくれます。
型4:保留・持ち帰りを、決定事項と分けて書く
決まらなかったことは、決定事項に混ぜず、独立した項目にします。混ぜてしまうと、読み手が「決まったこと」を見誤ります。
保留にはかならず「次に誰が何を確認したら決められるのか」を書き添えます。これがないと、保留は永久に保留のままになります。
型5:次回の予定と、会議の基本情報
最後に、次回の日時と議題を書きます。あわせて、会議名・日時・場所・出席者を冒頭か末尾に置いておきます。
出席者は、後から「その場にいたか」を確認するために使われます。欠席者がいた場合は、欠席者名も書いておくと親切です。
議事録のテンプレート
上の5つの型をそのまま並べたものが、次のテンプレートです。コピーして使ってください。
■会議名:〇〇定例(第〇回)
■日時:2026年〇月〇日 14:00〜15:00
■場所:会議室A / オンライン
■出席者:〇〇部長、〇〇さん、△△(記録)
■欠席:〇〇さん
【決定事項】
・作業日は〇月〇日(火)とする
・手順書は現行版のまま使用する
【ToDo】
・〇〇さん:関係部署へ立ち会い依頼(〇月〇日まで)
・△△:作業手順の最終確認(次回会議まで)
【論点と結論】
・作業日の選定:火曜は立ち会い可、木曜は再調整が必要 → 立ち会いを優先し火曜に決定
・手順書の改訂:今回の作業範囲では変更点なし → 改訂は見送り
【保留・持ち帰り】
・予備日の設定:〇〇さんが空き状況を確認のうえ、次回に判断
【次回】
・〇月〇日(火)14:00〜 / 議題:作業結果の報告
項目名は変えてかまいませんが、順番は変えないでください。決定事項が先頭にあることが、この型のいちばんの価値だからです。
会議終了から30分で出すためのメモの取り方
議事録が早い人は、書くのが速いのではありません。会議中のメモの取り方が違います。
おすすめは、会議が始まる前に、先ほどのテンプレートの見出しだけを開いておく方法です。そして発言を聞きながら、どの見出しに入るかを考えて、その場所に短く書きます。
この取り方なら、会議が終わった時点で議事録の骨格ができています。あとは文末を整えるだけなので、30分あれば出せます。
会議中に意識したいことは、3つだけです。
- 「決まりました」「〜でお願いします」という言葉が出たら、決定事項かToDoとして書き取る
- 担当者と期限が出なかったら、その場で確認する
- 専門用語や固有名詞は、聞こえたとおりに書いておき、あとで正しい表記を確認する
そして、出すのは早いほど価値があります。完璧な議事録を翌日出すより、8割の議事録を当日出すほうが、参加者にとってはるかに役に立ちます。修正はあとから追記すれば済みます。この考え方は失敗報告を早く出すこととまったく同じです。
新人がやりがちな議事録の失敗3つ
添削していてよく見かける失敗を、3つだけ挙げます。
失敗1:発言者の名前を全部つける
「〇〇さんが〜と発言」を並べると、誰が正しいかの話に見えてしまいます。名前を書くのは、担当が決まったときと、明確に発言者を残す必要があるときだけで十分です。
失敗2:事実と解釈がまざる
「〇〇の影響と思われるため対応が必要」のように、推測と決定が1文に入っている議事録は、後から読むと判断を誤らせます。推測は「(推測)」と分けて書きます。
失敗3:送りっぱなしにする
議事録は出して終わりではありません。「認識違いがあればご指摘ください」と一言添えて共有し、指摘があれば直します。この一言があるかどうかで、議事録の信頼度は大きく変わります。共有時のメール文面は報告メールの構成術と同じ組み立てで書けます。
議事録の書き方のまとめ
- 議事録は会議の録音ではなく、決定事項とToDoを残すもの。全部書こうとしないことが最大のコツ
- 決定事項 → ToDo(誰が・いつまでに・何を) → 論点と結論 → 保留 → 次回、の5つの型で組み立てる
- 会議前にテンプレートの見出しを開いておき、当日中に8割の完成度で出す
次の会議では、まず「決定事項」という見出しだけを先に書いてみてください。その下を埋めるだけで、議事録は形になります。
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