引継ぎを受ける新人が最初に聞いておくべき7つの質問|手順書にない情報の集め方

引継ぎを受ける新人が最初に聞いておくべき7つの質問

「来月から、この業務を引き継いでね」と言われて、何を聞けばよいのか分からないまま引継ぎの打ち合わせが終わってしまった。そんな経験はありませんか?新人エンジニアにとって、引継ぎは「何が分からないかも分からない」状態で始まるのがふつうです。

この記事では、運用・構築・設計の現場で何度も引継ぎを受け、渡してきた筆者が、引継ぎを受ける新人が最初に聞いておくべき7つの質問をまとめました。

結論から言うと、引継ぎで本当に必要なのは手順の説明ではなく、「困ったときに誰に聞くか」「何が止まると誰が困るか」「手順書にない判断はどうしていたか」という、手順書に書かれていない情報です。

この記事でわかること

  • 引継ぎを受けるときに最初に聞くべき7つの質問
  • なぜ手順の説明より「手順書にない情報」が大事なのか
  • 引継ぎ資料の受け取り方と、自分用に整える方法
目次

引継ぎで新人が聞くべき質問が「手順」ではない理由

引継ぎというと「この作業はこうやります」という手順の説明を想像しますが、手順は手順書やチケットを見れば後からでも追えます。本当に失われやすいのは、前任者の頭の中にしかない情報です。

たとえば「この障害が出たら、先にAさんに一報を入れると話が早い」「この設定は理由があって変えていない」といった判断の背景です。前任者がいなくなると、二度と聞けなくなります。だから、引継ぎの時間は「手順書に書いていないこと」を聞くために使うのが正解です。

引継ぎで最初に聞く7つの質問:手順ではなく、手順書に書いていないことを聞く
図: 引継ぎで最初に聞く7つの質問:手順ではなく、手順書に書いていないことを聞く(筆者作成)

引継ぎで最初に聞くべき7つの質問

質問1:この業務が止まると、誰が・何に困りますか?

業務の「重さ」を知るための質問です。社内の数人が困るだけなのか、お客様のサービスが止まるのかで、優先順位も慎重さも変わります。この答えがあると、忙しいときにどの作業を先にやるべきか自分で判断できます。

質問2:困ったとき、誰に・どの順番で聞けばよいですか?

いちばん大事な質問です。技術的に詳しい人、判断を下せる人、関係部署の窓口は別々であることが多いので、「技術のことはAさん、お客様への連絡はBさん」のように、相手と役割をセットで聞いておきましょう。連絡手段(チャット・電話・メール)と、連絡してよい時間帯も一緒に確認します。

質問3:定期的にやる作業と、その締め切りは何ですか?

毎週・毎月・年に1回といった定期作業は、忘れたときの影響が大きいわりに、前任者の記憶だけで回っていることがあります。一覧にして、カレンダーに入れるところまでやっておきましょう。年次の作業は特に抜けやすいので要注意です。

質問4:よく起きるトラブルと、そのときの「最初の一手」は何ですか?

過去に起きた障害やトラブルの「あるある」を聞きます。ポイントは、原因よりも「最初に何を確認し、誰に連絡したか」です。チケットの履歴を見ながら、「この件のときはどう動きましたか?」と聞くと具体的な答えが返ってきます。

質問5:手順書どおりにやらない(判断している)箇所はどこですか?

どの現場にも、手順書には書いていないけれど「実際はこうしている」という部分があります。理由があって手順を変えている場合もあれば、手順書が古いだけの場合もあります。ここを聞いておかないと、手順書どおりにやって失敗する、という事故につながります。

質問6:触ってはいけないもの・変えてはいけない設定はありますか?

「この設定は理由があって変えていない」「このサーバーは別のチームの管轄」といった、地雷の場所を聞く質問です。理由まで聞いておくと、将来それを変える必要が出たときに判断できます。

質問7:前任者が「やりたかったけれど、できなかったこと」は何ですか?

改善の種を受け取る質問です。「手順書を直したかった」「このチェックを自動化したかった」といった答えが返ってきます。引継ぎ直後は難しくても、半年後にあなたが手をつけられる改善テーマになります。

引継ぎ資料の受け取り方と、自分用に整える方法

7つの質問の答えは、もらった引継ぎ資料とは別に、自分用のメモにまとめておきましょう。おすすめは次の形です。

  • 連絡先一覧:役割・名前・連絡手段・時間帯
  • 定期作業カレンダー:作業名・周期・締め切り・手順書の場所
  • トラブル対応メモ:症状・最初の一手・連絡先・過去のチケット番号
  • 注意事項リスト:触ってはいけないもの・手順書と実態が違う箇所

引継ぎ期間中は、前任者が近くにいる間に「自分でやって、見てもらう」回数をできるだけ増やしてください。見て覚えるより、やって直されるほうが、はるかに早く身につきます。

引継ぎを受ける新人が聞くべき質問のまとめ

  • 引継ぎで失われやすいのは手順ではなく、前任者の頭の中にある「判断の背景」と「人のつながり」
  • 7つの質問(影響範囲・連絡先・定期作業・トラブルの最初の一手・手順書との差・触ってはいけないもの・やり残し)を最初に聞く
  • 答えは自分用のメモに整理し、前任者がいる間に「自分でやって見てもらう」回数を増やす

次の引継ぎの打ち合わせでは、この7つの質問をメモに書いて持ち込んでみてください。「何を聞けばいいか分からない」状態から、「引継ぎを主導できる新人」に変わります。関連記事:手順書で新人が見落としがちな5つのポイント

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